2018年5月3日木曜日

九十歳。何がめでたい の感想、レビュー

九十歳。何がめでたい     
佐藤 愛子/著
小学館
2016.8
223p
19cm
ISBN 4-09-396537-8
内容紹介 人間は「のんびりしよう」なんて考えてはダメだということが、九十歳を過ぎてよくわかりました-。御年九十二歳、もはや満身創痍の佐藤愛子が、ヘトヘトでしぼり出した怒りの書。『女性セブン』連載を書籍化。
著者紹介 大正12年大阪生まれ。甲南高等女学校卒業。「戦いすんで日が暮れて」で直木賞、「血脈」の完成により菊池寛賞、「晩鐘」で紫式部文学賞を受賞。


図書館HPより

タイトルに惹かれて図書館で借りました。
蔵書70冊に対して580人くらい予約待ち。
私も借りれるまで随分時間がかかりました。
エッセイ集なので、電車の移動時間などちょっとした時にサクサク読めます。

現代社会へのツッコミあり、過去のエピソードなど、考えさせられるもの、じーんとくるもの、クスッと笑えるもの、などなど。

特に気に入った&印象に残った話を記載します。
(ネタバレ注意、が的確にまとめてはおりません)

○グチャグチャ飯
亡くなった愛犬の話。
家の前に捨てられて、仕方なく飼った犬。
すごく可愛がるでもなし、しかし犬の方は狐から命を救ってもらって恩を感じているよう。
ご飯は残飯(グチャグチャ飯)。
先代犬がこのご飯で長生きしたから。
腎臓病で亡くなるが、このご飯のせいでは?と思うことも。
娘さんの知人の霊能者?が
犬が恩を感じている、そしてもう一度グチャグチャ飯が食べたいといっている、といっていたと聞いて涙。
→犬を飼っている人ならじーんとくると思います。
目立った可愛がり方じゃなくても、グチャグチャ飯に愛情がこもっていたのですね。
今のペットブーム以前のワンコの可愛がり方ですよね。

○子供のキモチは
小学校の校庭でサッカーボールを蹴ったら、フェンスを越えてしまい、老人に当たりそうになり、避けようとして転倒。
骨折で入院、かなり時間がたってから肺炎で亡くなる。
遺族が保護者に高額の損害賠償を請求。
また、東日本大震災の幼稚園の園長に、バスで帰らせたので津波に飲み込まれたとして損害賠償請求。
これに対しての意見を記載している。
サッカーボール事件は十一年後、最高裁によって
危険がない遊びなどで偶然起きた事故なら責任は免れる、との判決。
十一年の間の少年のキモチを推し測る。
→激しく同意!
ああ、こんな事件あったっけと思い出しつつ。
一審二審の判決、私も違和感を覚えました。

○思い出のドロボー(2編)
全財産30万円をだましとられた時の話。
ありえないような嘘に、まんまと騙された。
可愛い訳じゃない、むしろ熊がスカートを穿いたような子。
逮捕され、両親がお金を返そうと、お金をかき集めてきた。
→騙された話だけどクスッと笑ってしまった。
お金をかき集めてきたところは、ホロリときた。

○いちいちうるせえ
バイオリニスト高嶋ちさ子さんが子供のゲーム機を折ったことに対して、世間が騒ぎ立てたことにモノ申す!
母親にとって子供は自分の血を分けた切っても切れない分身。
こうなってほしい、と常に願っているのも分身ゆえ。
他人の子ならば、あんなことしてる。しょうがないねえ。ですむが、母親だから怒りに火がつく。
教育評論家がアレコレ言うけれど…
→激しく同意。そうそう、そうなんです!


以上、まとまりのないレビューとなりましたが、機会があれば読んでみてください。




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